2026.02.05
離型不良の撮影・検知テスト~検出自動化への第一歩~
FMDXのサポートは、実際の現場にどのように役立つのでしょうか?
今回は、「離型不良の撮影・検知テスト」にあたり、福島県ハイテクプラザが無料貸し出しをしているAIお試しキットを利用された笠原工業様に、概要と支援の感想を伺いました。
Q.ご相談は、成形工程での離型不良検知だったそうですね。
大槻様
そうですね。私たちが作る製品は“生きている”発泡プラスチックなんです。
離型後にも膨張する性質のある特殊なポリエチレンで、
水分や静電気の影響もあるため、金型から押し出す際に製品が型に残る
「離型不良」がどうしても起こり得ます。
ワークの個数をチェックし、足りなければ作業者が近くまで行って目視確認していました。
次の成形時に挟み込み検知をしてはいるのですが、それではタイムラグが発生してしまいます。
不良発生を瞬時に把握して停止操作ができればタイムラグがなくなり、
成形のロスを減らせるはずです。
大河原様
離型不良を映像で監視するとか、色や温度で検知できない
ものかと、ハイテクプラザに相談したという経緯です。
ドライブレコーダーのように不良発生の前後を記録に残せないかと、
こちらのイメージをざっくばらんにお伝えしました。
山田(ハイテクプラザ担当者)
何度か訪問してお話させていただいた上で、
最初のステップとして撮影システムの試作を行いました。
実際に離型不良がどう映るのか、まずはデータを集める必要があったからです。
ただ、これに意外に手こずりまして …… 実際やってみると、
長時間稼働によって表示が重くなりフリーズするなどの不具合が発生し、
ソフト面での処理方法の見直しが必要になってしまいました。
なんとか離型の瞬間は撮れているので、現在はその映像を使って、
不良を検知する方法を検討しているところです。
現時点では、製品と金型の色の違いを利用して検知する方法が有力だと考えています。
Q.笠原工業様は、今回の技術支援をどう感じていますか。
大河原様
当社は自社で成形機の開発も行っていますが、
だからこそ社内で取り組もうとすると検討のハードルが高く、
一歩目を踏み出しづらい部分がありました。
今回は、小さく試しながら前に進める方法だったからこそ、
動き出すことができたと思っています。
ハイテクプラザには画像検知の知見があって、気軽に相談できることがメリットでした。
スタートを切るきっかけをいただきました。
山田
今回の技術支援では離型不良の判別プログラムを作るまでを
ゴールにしていて、年度末には検出精度の報告ができる見込みです。
大槻様
了解です。
いずれ不良検知から停止まで自動化できたら理想的だと思います。
でも現場からすると、金型の隙間の、通常は見えない角度が
モニターで見られるだけでも実は画期的なんですよ。
確認のために、作業者が何度も階段を上り下りするだけでも負担でしたから。
大河原様
なるほど、その視点はなかったな。聞けて良かったです。


